ブルーピリオド × ArtSticker​

・コメントその1 ブルーピリオドについて

 ブルーピリオドは自分と異なる特殊な体験が読める漫画だ。自分は美大受験の時、八虎のように出来なかったが、もっとこう出来るなどとも思う。読んでると、出来なかったことと出来ることが無限に去来し脳をかき混ぜられる。自分はかつてそういった複雑な感情を引き起こす漫画を描きたかったが、挫折した。
 表現に答えはないとよく言うが、それぞれの表現が特殊で一般化するのが難しいからだろう。なので自信満々に答えを出されると時に人は恐れを感じる。受験は、合格という明確な答えがあるのでこれが頻繁に発生する。中には一生引きずる人もいる。
 ブルーピリオドはこの恐ろしさの先を正面から描こうとしているのだと思う。その稀有な表現に、刮目していきたい。
・コメントその2 出品した作品について

 最初の個展(2009年)の時、「ジェノサイドの筆跡」という大きめの作品を作った。「風来のシレン」というゲームに登場する強力なアイテムの名称をもじっている。自らの筆跡を高解像度でスキャンして画像化し、 キャラクターの画像と同じようにコピー&ペーストし増殖、縮小、拡大がいくらでも可能なものとして扱い、作家の筆跡の持つ力を無効化した上で作品化するような意図がタイトルには込められていた。
 今回出品する作品は"Determination"、直訳すると決定などを意味するが、正式には「ケツイ」と訳され、死後もタマシイを存続させる力に関係している。これもゲームの話だ。自分の、個人的な作家としての欲望を、反復するエモーショナルな筆跡に重ねた。